今回は前回の記事で少し触れた"運"について。
長年弁護士を勤め、たくさんの人の人生を見てきた著者の方の言葉を元に、「運の良くなる生き方」をご紹介します。
争わない
50年近く弁護士を続け、1万人もの人生を見てきた西中務弁護士は、下記のようにいっています。
比較するから恨む。恨むから争う。争うから不運になる。
西中 務(2017)『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』東洋経済新報社 P85
西中務さんは弁護士でありながら、争いを嫌い、相談を受けてもなるべく話し合いで解決させ、裁判を避けるようにしていたそうです。
なぜなら、争いは恨みを残し、運を落としてしまうから。(遺産相続で兄弟が争ったがために、その後の関係が悪くなるということもよくあるそうです)
ポイント①
比較をしない
スーパーの賞味期限
スーパーでパンや牛乳等を買う時、なるべく賞味期限が長いものを選びます。
しかし、イエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんは、スーパーやコンビニで食品を買う時、賞味期限を見て、期限が切れる寸前のものをわざわざ選ぶそうです。
「同じ値段なのに何で」と思ってしまいますが、鍵山さんは下記のように答えています。
「賞味期限が過ぎても売れなければ、その食品を廃棄処分しなければいけなくなります。そうなればもったいないし、スーパーは損をします。でも、私が期限前に買えば、それを防げますから。」
西中 務(2017)『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』東洋経済新報社 P128
スーパーの利益が減れば、その分値段を上げないと経営が成り立たなくなる可能性もあります。最終的に値上げされて困るのは客です。
鍵山さんは自分の利益だけでなく、全体のことを優先して行動しています。
ポイント②
自分だけの利益を優先しない
下座行
お坊さんが行う修行の一つに下座行というものがあります。
下座行とは、徳を磨くために、わざわざ自分を低く置く修行のことです。本来の自分がやる必要のない、人の嫌がることをすることで、様々なことが身に付きます。
西中 務(2017)『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』東洋経済新報社 P175
西中務さんは、人格を少しでも磨きたいという気持ちから、道端のゴミ拾いをしていたそうです。そして下記のように記しています。
まず、今まで人の嫌がることをしていた人の苦労がわかります。次に、その人への感謝の気持ちが起こります。そして、傲慢な気持ちが消えて、自然と謙虚になります。こうして、下座行により、人格が磨かれていくわけです。
西中 務(2017)『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』東洋経済新報社 P176
道端にゴミが落ちていると気持ちのいいものではありません。また、一つゴミが落ちていると真似して別の人がゴミを捨て、ゴミが多くなってしまうかもしれません。
毎朝散歩をしています。まずは一つゴミを拾ってみようかなと思います。
ポイント③
誰かがやるではなく、自分がやる
参考著書(まとめ)
著者西中務さんの生き方に感銘を受け、西中さんについて調べてみると、この本が出版された1年後にお亡くなりになられたそうです。
本を通して彼の生き様を知り、少し生活を変えてみようと思いました。彼のように人格を磨いていけたらと思います。(著者の方が亡くなってからもその人の考えや生き方に触れることができるのも本のいいところだなと改めて思いました)
弁護士を長年勤めて得たたくさんの経験と共に、経験則が書かれています。
運や恩、徳といったことに興味のある方は読んでみてくださいね。