前回の記事では、生活習慣を操り、時間管理能力を向上させることについてご紹介しました。
今回は、最終回、一定の時間で成果を上げる方法についてご紹介します。
言葉は脳への司令である
時々、「~するの忘れてた」「~しないといけないんだった」と思うことあります。何かを忘れていた時です。
脳の働きから考えると、私たちが何かを思ったり、言葉に出したりすることは、脳が行動するための司令でもあります。
そう考えると、「~するの忘れていた」というように思うことは、脳からしたら何の司令なのか分かりません。
やるのかやらないのかどっちなんだ、ということです。
このことを前提に、何かを思い出した時は、つぶやく言葉を変えてみましょう。
「~するの忘れていた」ではなく、「~する」とつぶやきます。
脳に対して、分かりやすくシンプルな司令を出すことが大切です。
ポイント①
しなければならないことを思い出した時は
「~する」とつぶやく
菅原洋平(2020)『脳をスイッチ! 時間を思い通りにコントロールする技術』CCCメディアハウス P157
次の動作に少し重ねて保存する
何か作業をしている時、区切りの良いところで終わらせたいと思う人が多いと思います。ひと区切りついたら休憩といった感じになると思います。
でも、休憩から戻った時に「面倒くさい」と感じることはありませんか。
脳の働きから原因を考えると、脳にとって分かりづらい状況を作ってしまっているからです。
脳は、今やっている作業だけではなく、その次にやるであろう作業にも見通しを立てて準備をしています。切り替えやすくするための準備です。
区切りがついたからといってそのまま休憩してしまうと、脳は次にやることが分からず、混乱してしまいます。次の作業を始める際には、脳はたくさんのエネルギーを消費することになります。その結果、面倒くさいと感じてしまいます。
ではどうすれば切り替えやすくなるのでしょうか。
1つ作業を終えたら、次の作業に少しだけ手をつけることです。そうすれば脳が次の作業を認識できます。
これには先延ばしを防ぐ効果もあります。
例えば、取引先から封筒が届いたとします。その場で封筒を開けて中身を確認したところ、返信書類も入っていました。ここで休憩するのではなく、返信書類の氏名欄だけ記入します。
少し手をつけるだけで、作業と作業がつながり、先延ばしを防ぐことに繋がります。
ポイント②
作業の終わりに次に行う作業の一部だけやってから終える
菅原洋平(2020)『脳をスイッチ! 時間を思い通りにコントロールする技術』CCCメディアハウス P155
脳の集中力の限界を知る
脳がどれくらいの時間集中できるのかを脳波を指標として調べた実験があります。
脳波が一定になっている状態を集中している状態と仮定し、被験者に脳波計をつけて何か考え事をしてもらったところ、一定の脳波を維持できる限界が256秒(約4分半)であることが分かりました。つまり、4分半を過ぎたら、別の思考が出てくることが考えられます。
目的があって調べ物をしている時、いつの間にか別のことを調べてしまっていることがあります。これにも集中力が関係しています。ある一つのことを調べるには15分が限界では、と言われています。
学習はどうでしょう。大学の講義は大抵90分を1単位として行われています。90分以上集中し続けるのは難しいでしょう。
90分という単位は生体リズムとしてよく登場します。知的作業の限界も90分です。
ポイント③
考え事は5分
調べ物は15分
学習は90分
菅原洋平(2020)『脳をスイッチ! 時間を思い通りにコントロールする技術』CCCメディアハウス P159-163
まとめ
私たちは普段脳から司令を受けて体を動かしていますが、実は私たちから脳に対して働きかけることもできます。
脳をうまく操ることができれば、時間は限られていても、成果を出すことができるでしょう。
生まれ持ったものは違ったとしても、時間は皆平等に与えられています。脳をうまく働かせて時間を有効に活用していきましょう。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
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