最近、アンガーマネージメントという言葉をよく耳にするようになりました。「怒りをコントロールするスキル」のことです。
そういったスキルを身につけることは良いことだと思いますが、怒りの感情を沈静化することは果たして良いことなのでしょうか。
私たちは心のどこかで「怒=悪」というイメージを持っていると思います。
今回は、「怒」と「感情」についてのお話をします。
怒りの裏にあるもの
皆さんは、どのような時に「怒り」を感じますか。
- 部下がやると言った仕事をやらなかった時
- 子供に対して、「何回言えば分かるの!」という気持ちになる時
- 言うことを聞いてくれない時 等々
怒りの感情のままに怒ってしまうと、「また怒ってしまった」と思うかもしれません。「本当は広い心で受け入れたい、こんな風に怒りたくないのに、、、」
例として上げた怒りを感じる時、私たちの言葉の裏には「~すべき」といった考えが隠れています。
- やると言った仕事はやるべきだ
- 前注意したことは直すべきだ
- 言うことは聞くべきだ
「~すべきこと」ができない相手に対して、私たちは怒りを感じているのです。自分自身の場合もそうです。すべきことができない自分に対して、時に苛立ち、怒りさえ感じてしまいます。
加藤隆行(2020)『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由: ネガティブな感情は自分の味方だった』小学館 P89
そういった時は、「すべき、せねば(must)」を「してほしい、したい(want)」に変換できるといいですね。
ポイント
mustをwantに変えよう
「悪」ではないことに注意
例えば、苦手な人がいたとします。いつも機嫌が悪そうで、鞄をボンッと音を立てて置いたり、なんとなく気を遣ってしまうかもしれません。
相手のことを「嫌だな」と思っていきます。
ここで一つ考えるといいことがあります。
「嫌」なのか「悪」なのか
ー「嫌」ではあるけど「悪」ではない
もしここで「悪」と考えると、またたく間に思考が「怒」へと変わっていきます。
ポイント
「嫌」なものは「嫌」でいい
でも「悪」ではない
引用元:加藤隆行(2020)『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由: ネガティブな感情は自分の味方だった』小学館 P97
不安について
不安は96%実現しない
米国ミシガン大学のある研究によると、心配事や不安の80%は実現しないという結果が出たそうです。しかも残りの20%のうち16%は予め準備しておけば回避できるものばかりだそうです。
このことから96%は起こりえない「恐れ」に対して、不安になっているということがいえます。
その不安は相手の問題なのか自分の問題なのか
対人関係で起こる悩みは、じつは「自分の恐れや他人の問題にすり替えている」ことがほとんどです。
引用元:加藤隆行(2020)『「また怒ってしまった」と悔いてきた僕が無敵になった理由: ネガティブな感情は自分の味方だった』小学館 P113
ポイント
自分の不安と相手の不安を切り離す
感情はコントロールするもの?
じつはコントロールできる人を目ざすより先に、そのままの感情を受け入れた上で、「できるだけ感情を開放したまま機嫌よくいられる環境を、自らつくる」ということに取り組まない限り、安住の地はないのだな、ということが分かってきました。感情の否定とは自分への否定です。まず自分が持っている感情を認めてあげないと、自分がどんな人なのかもわかりません。
感情を身体で全肯定しよう
感情を身体で全肯定する方法をご紹介します。
①「怒り」「不安」などの深いな感情が出てきたら、一人になれる場所に行きます
寝転んでやると効果的
②不安な感覚が出ている身体の部位を特定します
喉が詰まった感じがするなら喉、胸が苦しいなら胸、胃の不快感なら胃、等々
③その部位に手を当てて、深呼吸をします
まとめ