先日のブログで、ミスはあくまで結果であり、それまでの認知や判断に原因があるのではないか(そこを正しく行うことができればミスが減るのでは?)と考えました。
この考えを元に、ミスが起こるメカニズムについてご紹介します。
ミスが起こるメカニズム
ミスの種類
ミスには4種類あります。
①メモリーミス(忘れた!)
②アテンションミス(見落とした!)
③コミュニケーションミス(伝わっていない!聞いていない!)
④ジャッジメントミス(判断を間違えた!)
宇都出雅巳(2017)『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』株式会社クロスメディア・パブリッシング P6
こちらの記事で例として上げました標章車専用の駐車スペースに誤って駐車したことについて。
4種類のミスのどれにあてはまるかというと、②アテンションミス(見落とした!)です。
「駐車可」を示す本標識の下の補助標識「標章車専用」を見落としたことによるものです。
下記ではこのアテンションミスが起こる原因と対策について考えます。
選択的注意(ある動画より)
まず、初めにこちらの動画をご覧ください。
(1分程の動画です。こちらの動画を元に原因や対策について説明します)
白い服を着たチームと黒い服を着たチームが、それぞれのボールを自分のチームの人にパスしてきます。
2つのチームが入り乱れますが、白い服のチームが何回パスをするか数えてください。
正解は、15回です。
ゴリラの存在に気がつきましたか?
(私は途中でゴリラが気になりすぎて、数えるのをやめてしまいました)
ほとんどの視聴者がゴリラの存在に気づかないそうですが、皆さんはいかがでしたか。
この動画で一番注意(アテンション)すべきことは、「パスの回数」でした。
頭の中(ワーキングメモリ内)にはおそらく、現在のパスの回数、白い服のチームのボール、次のパスを受け取りそうな人があったのではないでしょうか。
反対に、私のように注意すべきこと(パスの回数)を途中で手放し、ゴリラに全集中していたことは、頭の中はゴリラのみであったということを表します。
パスの回数に注意し、ゴリラに気がつかないことは、ゴリラに注意(アテンション)が向いていない、ある意味アテンションミスとも言えますし、
私のように他のことに注意がそれてしまうこともアテンションミスと言えるでしょう。
人が注意を払える対象は限られており、あるものに注意を払うと、他のものが見えなくなってしまいます。このような状態のことを「選択的注意」といいます。
宇都出雅巳(2017)『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』株式会社クロスメディア・パブリッシング P76.77
ゴリラの動画で分かったように、人は目に入っているようで、見えていないものがたくさんあります。
つまり、アテンションミスというのは特別なものではなく、常に起こりうるものといえます。
下記では、アテンションミスの対策についてご紹介します。
アテンションミス対策
がんばりすぎない
ゴリラの動画のように、パスの回数に注意し、ゴリラに気づかないことは前のめりになりすぎ視野が狭くなっている状態といえます。
視野が狭くなるということは注意の死角ができることであり、視野外のミスが起こりやすくなります。
ポイント①
視野の狭さが大事なことを見落とすこともある
宇都出雅巳(2017)『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』株式会社クロスメディア・パブリッシング P82.83
注意のムダ遣いを減らす
ゴリラの動画で、もしかしたら、動画のことよりも他のことが気になって集中できなかったという人もいるかもしれません。
例えば、悩み事や心配事等々。頭の中(ワーキングメモリ内)はそれらの心配事等が占めており、ゴリラの動画には注意(アテンション)できない状態です。
まずは、頭の中をきれいにする必要があります。方法は何でも構いませんが、例えば、頭の中の心配事等を紙に書き出すのはどうでしょうか。
紙に書いて全てが頭の中からなくなるわけではありませんが、少しは負担が減ると思います。
ポイント②
頭の中(ワーキングメモリ内)に余裕を作る
宇都出雅巳(2017)『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』株式会社クロスメディア・パブリッシング P88.89
未完了事項を完了させる
ザイガルニック効果をご存知ですか。ザイガルニック効果とは、物事を途中まで進めると最後まで終わらせたくなる欲求のことです。
やり切れる時はいいですが、もし時間がなかったりしてタスクを中途半端な状態にしておくと、その間気になり、注意力が奪われることになります。仕事に限らず、プライベートでも様々なタスクがあると思います。
アテンションミスを減らす目的で考えるならば、中途半端な状態のものはできるだけ減らすことが重要です。
2020年も終わりに近づいています。何か未完了のものがあれば、「未完了リスト」として書き出し、片づけていくのもいいいかもしれません。
ポイント③
気になることを一つでも減らす
まとめ
今回は、ミスが起こるメカニズムと、ゴリラの動画を用いアテンションミスについてご紹介しました。
アテンションミスをなくすには、いかに頭の中を空にし、いかに視野を広くできるかが重要になってきます。
今回は②アテンションミスを取り上げましたので、次回以降は①メモリーミス③コミュニケーションミス④ジャッジメントミスについて説明していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回の著書『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』
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