発達障害について、「脳」の影響が大きいとされていますが、
最近の研究によると、「腸」の影響も大きいことがわかってきています。
今回は発達障害と「腸」との関係について、最新の研究結果とともにご紹介します。
腸と脳の関係について
最近の研究では、腸内細菌は脳の機能にも大きな影響を与えることがわかってきました。
脳腸相関とは
腸は「第二の脳」とも呼ばれる独自の神経ネットワークを持っており、脳からの指令が無くても独立して活動することが出来ます。
脳腸相関とは、生物にとって重要な器官である脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼしあうことを示す言葉です。
2016年に国立精神・神経医療研究センター神経研究所の研究グループが行った研究によると、
腸内細菌叢の善玉菌が少ないと、うつ病のリスクが高いということがわかっています。
発達障害にも腸が影響
これまでの研究によると、発達障害も腸と相関関係があるとされています。
アリゾナ州立大学の調査では、ASDの症状をもっている子どもの約3割から約5割が下痢や便秘などの症状を抱えており、さらにASDの状態は腸の状態と相関関係があると認められました。
ASDの子どもの腸内細菌叢は、普通に発達している子どもと比べて、ビフィズス菌などの菌が少ないことがわかっています。このため、腸内細菌の種類がかたよっていて、腸内環境が悪化しやすい傾向があることがわかりました。
私は発達障害当事者(ADHD,ASD)ですが、腸は過敏なほうだと思います。
腸内細菌を移植した結果
アリゾナ州立大学の研究チームが、腸内細菌叢移植(腸内フローラ移植)をASDの症状をもつ子どもに行い、その結果を発表しています。
研究チームは当初、ASDの子どもたち18人を対象に、全18週間のプログラムを実施した。
最初の2〜3週間は、腸洗浄や抗生物質などで前処理をし、そのあと7〜8週間かけて腸内微生物移植(Microbiota Transfer Therapy: MTT)を毎日実施。その後、8週間かけて経過観察した。
さらにその2年後に被験者らを呼び戻し、消化器系の症状や、ふるまい・行動などについて再評価した。結果は驚くべきものだった。18週目を終えた段階でベースラインから80パーセントの改善がみられた消化器系の症状は、2年経ってからベースラインから58パーセントと、初期の改善のほとんどが定着していたのだ。
この結果より、腸内細菌がASDの症状に大きく影響を与えていることがわかります。
ただ、日本では腸内細菌叢移植(腸内フローラ移植)は臨床研究が開始されたばかりです。
腸内フローラ移植を受けることはできませんが、腸内フローラを整えるよう意識することは可能です。
そこで、下記では腸内フローラを整える食品をいくつかご紹介します。
腸内フローラを整えよう
発達障害に限らず、健康な生活のために腸内フローラを整えることは大切だと思います。
理想的な『腸内フローラ』に整えるには、善玉菌を摂るのが良いといわれています。
また、善玉菌のエサとなるものと合わせて摂ることで、より効果を期待できます。腸内フローラを整える方法!腸活!|腸内フローラをもっと知ろう | 乳酸菌とおなかのこと | ビオフェルミン製薬 (biofermin.co.jp)
善玉菌を含む食品と善玉菌のエサとなるものをご紹介します。
善玉菌を含む食べ物
例:ヨーグルト、ぬか漬け、納豆、キムチ、味噌、チーズ
その他にも、整腸剤には、さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌が凝縮されており、効果的に『腸内フローラ』を整えることができるといわれています。
善玉菌のエサとなるもの
善玉菌のエサとなる「食物繊維」と「オリゴ糖」で、腸内で菌数を増やす助けになります。食物繊維には水に溶ける「水溶性」と水に溶けない「不溶性」があり、どちらも便秘改善など腸にうれしい効果が期待できます。便をやわらかくしたい場合は「水溶性」、便の量を増やすことで腸を動かしたい場合は「不溶性」が効果的です。善玉菌の増殖に特に効果的なのは、「水溶性」の食物繊維です。
腸内フローラを整える方法!腸活!|腸内フローラをもっと知ろう | 乳酸菌とおなかのこと | ビオフェルミン製薬 (biofermin.co.jp)
水溶性食物繊維を多く含む食品
例:野菜類(ごぼう、にんじん、芽キャベツ、おくら、ブロッコリー、ほうれん草)豆類(納豆)いも類(さといも、こんにゃく)海藻・きのこ類果物
オリゴ糖を多く含む食品
例:野菜類(玉ねぎ、ごぼう、ねぎ、にんにく、アスパラガス)果物(バナナ)豆類(大豆)
腸内フローラを整える方法!腸活!|腸内フローラをもっと知ろう | 乳酸菌とおなかのこと | ビオフェルミン製薬 (biofermin.co.jp)
腸内フローラを整える食品を積極的にとると共に、運動をしたり、質のよい睡眠がとれるといいですね。
まとめ
発達障害については、日々研究が進められ、多くのことがわかってきています。
最新の情報を元に、何か手を打つことができたらと思っています。
今後も何か新しい情報があれば、ご紹介させていただきます。
参考著書