のびのび生きる

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ADHDだけど怠けていると思われたくない。対策を考える(やる気の出し方)

ADHDの特性の一つに「後回し」があります。

 

仕事をしていた時、よく言われました。

「何でやらないの?」と。

周りからは当然「怠けている」と思われます

 

ADHDについて学んでいくうちに、後回しは脳の特性からくるものだと分かりました

 

ADHDの特性からくる行動で周りからの評価が下がるのであれば、対策するしかないと今は思います。(これ以上周りに迷惑をかけ続けるのも避けたい)

 

今回は脳の機能面から、対策を考えます。

(ADHDではない人にもやる気の出し方について参考いただけたらと思います)

 

 

やる気スイッチはどこにあるのか

脳の機能について

脳内にはいろいろな機能を担っている部位がありますが、

ADHDの人は前頭前野側坐核という部位で、ドーパミンなどがうまく働いていないのではと言われています。

 

ドーパミンとは

脳内で情報を運ぶ役割を担っている神経伝達物質のこと

前頭前野とは

プラン、実行、想像、思考、感情のコントロールなどの機能を担う。脳の司令塔のような部位

側坐核(そくざかく)とは

抑制などの機能を担う目の前の楽しみに飛びつかないよう、衝動性をコントロールする

司馬理英子(2020)『ADHDの人の「やる気」マネジメント 「先延ばしグセ」を「すぐやる」にかえる!』株式会社講談社 P20.21

 

前頭前野側坐核の機能がうまく働いていない

好きなことやりたいことにはすぐ取りかかれるが、やるべきことはすぐ始められない (抑制がききにくい)

発達障害は、知能や人間性、本人の努力の問題ではなく、脳の機能のアンバランスによるもの。ADHDでは、脳の機能のうち、やる気を行動に移す機能がうまく働いていないということです。

司馬理英子(2020)『ADHDの人の「やる気」マネジメント 「先延ばしグセ」を「すぐやる」にかえる!』株式会社講談社 P20

 

こんなことがありました

  • 振り込みを後回しにし、締め切りを守れない
  • メールの返信を後回しにし、溜め込んでしまう
  • 衝動的に好きな作業に取りかかり、重要な作業を後回しにした結果、やることを忘れてしまう
  • 後回しにしてどこに書類を置いたか忘れてしまう

 

前頭前野側坐核の機能を意識的に働かせて、やる気スイッチを入れよう。

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じゃあどうすればいいの?

気分を変える

まず、「やらないとどうなるか」を考えてみました。考えられることは

  • 上司に怒られる
  • 取引先や周りに迷惑がかかる
  • 自分に負荷がかかる等々

 

そうならないように早めにやろう!と考えるのはADHDの人には難しそうです。(前頭前野側坐核の機能がうまく働いていないため)

 

反対ではどうでしょう。「やるとどうなるか」

  • 褒められる
  • 仕事がスケジュール通りに進む
  • 定時で帰れる等々

 

その先にいいことがあると考えれば、前向きな気持ちで取りかかれるかもしれません。

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司馬理英子(2020)『ADHDの人の「やる気」マネジメント 「先延ばしグセ」を「すぐやる」にかえる!』株式会社講談社 P26.27 

 

気分を盛り上げる

「言霊」という言葉がありますが、言葉の力で気分を盛り上げていく方法もあります

たとえ本心ではないとしても「~したい」と言ってみます(「楽しそう」「おもしろそう」「簡単」「できる」という言葉でも可)

「振り込みしたい」「振り込みしたい」「振り込みしたい」と言葉に出して、その言葉を耳から聞いて自分を騙すのです

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司馬理英子(2020)『ADHDの人の「やる気」マネジメント 「先延ばしグセ」を「すぐやる」にかえる!』株式会社講談社 P28.29

 

意識を向ける

ADHDの人は脳の特性から、目先の楽しそうなこと好きなことに興味が移りがちです。目移りしないように刺激を減らすことが必要です

 

こんなことがありました

仕事をしていた時、1枚の付箋に1つのタスクを書いて、たくさん付箋をパソコンに貼っていました。終わったタスクの付箋は剥がします。

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パソコンを触っている時は終わっていないタスクが全て見える状態ですこの方法は自分には合いませんでした

なぜ?

ある作業をやっている途中で、別のタスク(付箋)が目に入りその作業を始めてしまったり、別の作業のことを考えてしまったりするため

対策

その後は、目移りしないよう、パソコンに貼る付箋は今やっている作業の付箋に限定するようにしていました

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やるべきことに意識を向けるために、刺激を減らします。何が刺激になるかは人それぞれ。自分なりの工夫をしましょう

司馬理英子(2020)『ADHDの人の「やる気」マネジメント 「先延ばしグセ」を「すぐやる」にかえる!』株式会社講談社 P38.39


 

もの探しをなくす

なかなか始められないのもそうですが、始める前に物がどこにあるか分からない、ということがよくありました。

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(振り込みしたいのに財布がないでは始まりません)

家の中でよく探すものとしてスマホ、鍵、財布があります。

目先のことに注意を奪われ、無意識でものをどこかに置いてしまうからです

 

毎朝出かける度に探していては、遅刻しています。

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私は下記のように対策し、改善しました。

鍵、財布…定位置を決め、帰宅したらその場所に置くことを習慣づける

スマホ首からぶら下げる


スマホを首からぶら下げるようになってから、一切なくすことがなくなりました。(当たり前ですね)

前回ご紹介した時のものからパワーアップし、今は下記のようなものを家の中で常に斜めがけしています

 

外側にメッシュの ポケットがあるものを使用しており、そこにスマホを入れています

買い物に行くときは、これに財布や鍵を入れて出かけることもあります。(レジ袋も念の為入れてあります)

 

 

まとめ

今回は脳の機能面も踏まえ、対策をご紹介しました。

ありがたいことに上司も一緒に対策を考えてくれることがあるのですが、なかなかうまくいかないことも多かったです。

そもそも脳の働きが上司(健常者)とは異なるため、通常対策になるであろうことを行っても対策にならないことがあります。(対策を行うための対策が必要)

 

もちろん周りの助けてくれる人への感謝は忘れずに、脳の機能面も勉強しながら対策を練っていきたいと思っています。

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

今回の参考著書はこちら↓↓

著者司馬理英子さんは 「のび太ジャイアン症候群」を命名された方です。

 

今週のお題「やる気が出ない」

大人の発達障害についての記事はこちらから↓↓

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