このご時世、メンタル不調を訴える人も多くなったのではないのでしょうか。
今や誰がうつ病になってもおかしくありません。愛する家族がうつ病になってしまうことも考えられます。
自身の経験も踏まえつつ、うつ病患者を家族はどう支えるべきなのかについてご紹介します。
うつ病について
うつ病とは
うつ病は、脳内神経伝達物質が減少することで起こる病気です。情報がうまく伝わらなくなり、意欲低下や活力低下に繋がります。
うつ症状は午前中に強く現れ、夕方になると少し楽になります。一日の間でも変動するため、自覚しにくいのが特徴です。
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P18.19
うつ病の兆候
家族にこんな症状はありませんか。(黄色信号)
- 「生きている意味ないな」「消えちゃいたいな」と独り言を言う
- 物忘れが多い
- 「職場でミスばかりしちゃう」と愚痴を言う
- 声が小さくなり、かすれたよう
- だるそうで元気がなく、口数が少ない
- 仕事の日の朝は、具合が悪くなる
上記の症状が半年以上、繰り返し見られたら黄色信号です。この段階で医療機関を訪れれば、治療を長引かせずに治すことができます。
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P8.9
家族にこんな症状はありませんか。(赤信号)
- 好物だったものを食べなくなった
- 楽しみにしていたテレビ番組を見なくなった
- 楽しみにしていた趣味やスポーツをやらなくなった
- お風呂に入りたがらない(週2~3)
- 出勤したのに途中で戻ってきてしまう
- 「死にたい」と言うことがある
- 「職場で無視されている」などと言う
- 突然モノに当たる、モノを投げつける
- ふだんなら怒らないようなことで怒り出す
- 3日以上続けて睡眠リズムがおかしい
- ときどき欠勤してしまう
黄色信号を無視していると症状が繰り返され重症化します。上記の症状があったら無理して会社に行かせようとせず、診療内科などを受診させましょう。
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P10.11
私は、赤信号の症状になっている時受診しました。自ら受診するのは難しいことも考えられます。家族が助けてあげましょう。
受診について
「精神科」「心療内科」といった科は、初めてだと受診するのに躊躇するかもしれません。
私は現在週一で通っていますが、最初は少し躊躇しました。でも意外と行ってみると、普通の病院と変わらないかなという印象でした。
受診の勧め方
受診を拒まれたら次のステップを踏みましょう。
- 「少し様子を見ようか?」
- 「もしうつ病だったとしても、治る病気だから」
- 「私が心配だから、一緒に病院に行ってみない?」「体がつらそう。ひとまず内科に行ってみない?」
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P22.23
受診を拒まれても感情的にならず、相手の気持ちを理解するよう努め、前向きな言葉をかけましょう。
もしかして自分も?
相手が明らかにうつ症状になっているにも関わらず、「それ甘えでしょ」などと思ってしまう時は、要注意です。
その人自身がものごとに対する関心や意欲が低下しがちで、仕事の能率が落ちるなど慢性的なうつ病の症状があり、辛さを抱えながら生きている可能性があります。
そのため、相手が同じような辛さを訴えると、「誰でもそんな思いをしながら頑張っている」と感じ、厳しい言葉で突き放してしまいます。
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P26
2人で受診してみるのもいいかもしれません。
うつ病は告白すべき?
うつ病と分かったら誰かに言う必要はあるのでしょうか。
うつ病は、周知されてきたとはいえ、うつ病への偏見はいまだにさまざまなところで残っています。病気のことを伝えるのは、直属の上司や人事関係者、両親など、生活していくために協力が必要な人に限定してください。
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P73
私自身は、うつ病であることを直属の上司や人事関係者、夫に伝えてあります。
一緒に暮らしていない両親などには伝えてありません。もし両親に伝えた場合、言われるであろう言葉が自分にとって負担になりそうと考えたからです。
親戚のなかには、病院につき添うほど親密になるわけでもないのに、治療に口を出したり、おせっかいを焼こうとしたりする人がいます。うつ病に対する偏見が強い人や、配慮が足りない人が、治療中の夫に声をかけ、うつ病を悪化させてしまうという例もよく見られます。
引用元:浅井逸郎(2020)『心のお医者さんに聞いてみよう 「うつ病の夫」に妻がすべきこと、してはいけないこと 抜け出すための“寄り添い方”がわかる本』株式会社大和出版 P73
家族、親族ではありませんが、言わなければよかったと思う人もいました。はっきりと「あなたはうつ病じゃない」「本当にうつ病だったら~しない」等言われました。
私は真に受けてしまい、その後もその言葉を引きずりました。信頼している人だとしても、うつ病に対する考え方は様々です。伝える人は極力限定すべきと思います。
非定型うつ病タイプに要注意
従来のうつ病は常に憂鬱な状態を想像するかと思います。
【非定型うつ病とは】
非定型うつ病は、何か楽しいこと、望ましいことがあると、気分がよくなります。普通のうつ病(定型うつ病)では、何があっても元気が出ないのに対し、出来事に反応して気分が明るくなるのが大きな特徴です。
この非定型うつ病は、かつて「神経症性うつ病」と呼ばれたタイプ。定型うつ病は、長年勤勉に働いてきた年代に多くみられ、20~30代でかかるうつ病では、多くがこの非定型タイプと考えられます。とくに20~30代女性の場合、8割が非定型うつ病にあたるとか。若い男性にも起こりますが、女性では男性の3~5倍にみられるといいます。
引用元:非定型うつ病
非定型うつ病の場合、元気な時もあるため、自身も周りも症状に気付くのが遅くなるかもしれません。
非定型うつ病は慢性化しやすいといわれています。少しでも不安を感じたら早めに受診するようにしましょう。
まとめ
どの病気でもそうですが、うつ病も大丈夫と思っているうちにどんどん進行していきます。軽い症状のうちに受診することで、治りも早くなります。
私はしばらく放置してしまったため、治療が長引いているように思います。
うつ病は治る病気です。心当たりがあれば早めの受診をおすすめします。
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