皆さんの周りに発達障害の人や発達障害かもしれない人はいませんか。
いらっしゃる方には是非今回の記事を読んでいただきたいと思います。
内容としては、発達障害の人に対してどう接するべきかについてです。
周りにいない方も、これから出会うかもしれませんし、もしかしたら気になるあの人も発達障害かもしれません。参考程度に読んでいただけたら嬉しいです。
参考著書および自身の思いについて
前回、「職場の発達障害 ADHD編」よりADHD当事者が気を付けるべきことを簡単にまとめました。たくさんのいいね、ブックマークありがとうございました。
今回も前回に引き続き、「職場の発達障害 (ADHD編)」より大事なポイントを抜粋させていただきます。
今回はADHDの周りの人がどう関わっていくべきかに焦点を当てます。
【私について】
私自身は、発達障害当事者です。ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)です。2020年2月にうつ病と共に診断されました。
当時は自分の努力不足だと自分を責め続けていました。周りには迷惑をかけてばかり、自分は本当にダメな人間だとばかり思っていました。
うつ病と発達障害を診断されてからも半年働き続けましたが、2020年7月限界を迎えました。産業医より今すぐ休職をと言われ、現在に至ります。(2020年8月~休職中)
発達障害の人は二次障害としてうつ病になる人が多いと言われています。
そういった人を少しでも減らすためにも、当事者はもちろんですが、周りの人の正しい理解が必要です。
この本は発達障害を正しく理解するために役立ちます。
正しい理解を
ADHD(Attention-deficit/hyperactivity disorder)の正式名称は、注意欠陥・多動性障害です。
名の通り、不注意、多動性、衝動性が主な症状ですが、どの症状が強く表れるかは人によって異なります。その他にも感覚過敏や先延ばしなどの特性があります。
私の場合は、多動性・衝動性の症状は目立たず、不注意優勢型です。比較的女性に多いと言われています。
【不注意優勢の主な症状】
- ケアレスミスが多い
- 忘れもの・なくし物が多い
- 約束を守れない、間に合わない
- 注意の持続が困難で、すぐに気が散る
- 仕事や作業を順序だてておこなうことが困難
- 指示に従えず、課題が果たせない
- 片付けが苦手など
こういった症状は健常者でもありますが、その程度が甚だしく、広範囲にわたり、生活に支障をきたします。
太田晴久(2019) 『職場の発達障害 ADHD編』株式会社講談社 P8.9
不注意も多動性・衝動性も、社会に出てからの困難は一般の人の想像以上です。やみくもな努力だけでは困難を乗り越えにくく、特性に対する正しい知識が重要です。
太田晴久(2019) 『職場の発達障害 ADHD編』株式会社講談社 P1
できないことがあることを理解しよう
私は働いていた時、上司から
「何でできないの?」
と言われることがよくありました。
障害があることを車いすに例えて考えます。
例えば、上司が
「何でこんなこともできないんだ!」
と叱責します。
車いすに乗った当事者は車いすで階段を上ることができず、落ち込みます。
さらにはできない自分を責め自尊心が低下してしまいます。
そもそも車いすで階段を上ることは不可能
=やる気がないのではなく努力してもできない
→できないことを叱責する必要はない
ポイント①
特性を直そうとしてもうまくいかない。
本人に合った働き方、環境を整備する。
引用元:太田晴久(2019) 『職場の発達障害 ADHD編』株式会社講談社 P65.65
一度褒めてみよう
「前も同じミスしたよね」
「何回言ったら分かるの」
「さっき言ったよね」
よく言われた言葉です。自分でも工夫してメモ等頻繁に取っているつもりではありますが、抜け漏れが多くありました。
こんな様子を見ていたら周りの人はやる気がないと判断してしまうと思います。
職場の人が困っていることは本人も困っていることでもあります。本人は本人なりに一生懸命やっています。
そんな中叱責が重なると、どうしても自己否定に繋がります。
できないことを「努力してやれ」と言ってもできません。本人は自信をなくすだけです。特性を考えて、できそうなことをやってもらうことがお互いのためなのです。ほめられた経験が少ないので、ほめて育てることが有効です。
引用元:太田晴久(2019) 『職場の発達障害 ADHD編』株式会社講談社 P72.73
ポイント②
褒めて育てよう
受診のすすめ方について
私は自ら受診し、障害が分かりましたが、当事者の周りの人が、あの人発達障害なのではないかと疑うケースも多くあると思います。
当事者の周りでトラブルが相次ぎ、
「一度発達障害かどうか診断してもらったら」
と勧めたくなるかもしれません。
ただ、当事者自身は何も疑っていないことも考えられます。どうして受診しなければならないのかと拒否されるかもしれません。
受診を勧める場合には、メリットを示すことが重要です。
【考えられるメリット】
・本人も職場も正しい理解が得られる
・本人は配慮が得られる
・本人は困った時に相談できる
・本人は辛い症状が軽減できる
・職場はより効率的な仕事ができる
引用元:太田晴久(2019) 『職場の発達障害 ADHD編』株式会社講談社 P74.75
ポイント③
受診のメリットを考える
まとめ
ポイントをいくつかまとめましたが、実際のところ当事者を目の当たりにしたら、なかなか実行するのは難しいかもしれません。
頭では分かっていても、どうしても感情的になってしまうと思います。うまく対応できるかは別として、発達障害というものがあることを認識いただけるだけでも当事者としては救われます。
私自身は、復職に向け、片っ端からから対策案を集めて検討している最中です。
お互いが気持ちよく過ごすためには、もちろん工夫も不可欠ですが、お互いがお互いを思う気持ちも大切です。
こんな記事も書いています。↓↓
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
↓↓発達障害についてはこちらから